プログラムの体系整理が行われ、2017年に統合版JEMAI環境ラベルプログラム(2022年4月「SuMPO環境ラベルプログラム」に名称変更)が開始しました。従来(本サイト)のエコリーフプログラムへの新規参加は2020年3月末までとなります。新規でプログラム参加を検討の方はこちらのウェブサイトをご参照ください。
1997年12月に開かれた京都会議―第3回気候変動枠組条約締約国際会議(COP3)―を受けた政府の地球温暖化対策大綱が策定されるに当たって、(一社)産業環境管理協会(JEMAI)は,通商産業省 (当時) から、国民のライフスタイルのグリーン化を促す手段としての環境ラベルの位置づけを検討する“環境調和型経済社会における環境ラベルのあり方検討会(委員長:茅陽一東京大学名誉教授)”の設置を要請されました。同検討会の提言により、JEMAIは8工業会※の参加を得て“新たな環境ラベル協議会”を設置し、わが国におけるタイプIII環境ラベルの開発を始めました。そして2002年度より本格的に運営を開始したのがエコリーフ環境ラベルです。
- ※
- 日本鉄鋼連盟、日本化学工業協会、日本アルミニウム協会、日本製紙連合会、日本自動車工業会、日本電機工業会、日本電子機械工業会(当時)、日本事務機械工業会(当時)
エコリーフプログラムは、環境ラベル規格のISO14025とLCA規格であるISO14040シリーズの思想・手法に基礎を置く他に、以下の制度を柱とした各制度への工夫と、社会的信頼性を確保するために、独自に工夫された諸制度があります。
2017年からエコリーフ環境ラベルと、カーボンフットプリントコミュニケーションプログラムとの一体運営が始まりました。2019年からはプログラムの運営は一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)に移管されました。プログラムの全体像は基本文書にて解説され、基準と手順は各規程に定められています。
エコリーフの開示情報が客観性をもち、購買者あるいは消費者に誤解なく表現された比較可能性の機能を担保するための基礎となる制度であり、製品分類毎にLCA実施ルールとラベル公開ルールなど具体的に決め、所定の書式に従って記載した基準です。
PCRの原案の取りまとめはPCR-WG(PCRワーキンググループ)参加者のコンセンサスの上で行われ、PCR原案が評価レビューパネルまたは審議委員会で承認されるとPCRび制定公開となります。制定されたPCRの有効期間は3カ年です。
エコリーフラベルの作成を希望する事業者は、一定の条件を満たすシステムを社内に構築することで、組織内にて検証員を任命し、データ検証を実施することができます(=内部検証制度)。これにより、事業者は柔軟、迅速かつ経済的な検証を実施することができます。
システム認定審査を取得するには、下記に挙げる製品環境データを集積するシステムを有効かつ継続的に機能させるしくみが事業体の中にあるかどうかの適合性審査が行われ、合格することが条件となります。認定単位は企業または企業の製品事業体で、認定有効期間は3カ年です。
システム認定取得のために必要なシステム条件
- 1. 製品データ集積システム
- (製品を構成する材料・部品・ユニットの質量,材質データなどの集積システム)
- 2. 製造サイトデータ集積システム
- (製造サイトにおける投入または排出エネルギー・材料・環境影響物質などの種類,量のデータ集積システム)
- 3. 物流、使用、廃棄・リサイクルデータ集積システム
- (各段階の環境負荷を算出するための基礎データ集積システム)
- 4. データ加工処理システム
- (収集データをラベル開示用データに加工処理するシステム)
- 5. データ検証システム
- (内部検証を実施するシステム)
- 6. エコリーフ発行システム
- (作成されたエコリーフ環境ラベルを評価・発行するシステム)
- 7. データ補正システム
- (公開済みのエコリーフ環境ラベルを補正するシステム)
データ検証は、ラベルの記載内容がPCRに適合し、LCAが適切に実施されているかどうかを確認するために行われます。データ検証は、外部検証または内部検証のどちらかにより実施され、検証を実施する検証員は内部、外部、どちらにおいても当協会の認定・登録されていることが必要です。データ検証では検証員が以下の点をチェックし、合否の判断をします。
- ラベル作成のために適用されたLCA手法が、“エコリーフ環境ラベル実施ガイドライン”に適合していること
- 具体的計算条件などが、対象となる製品分類別基準(PCR)に適合していること
- 製品関連データの妥当性(構成部品の質量、材質など)
- 収集されたデータの妥当性(完全性、代表性、精度など)
- LCA手法におけるアロケーション(配分)およびカットオフ(足きり)の妥当性
- LCA計算の正確さ
- データの根拠および証拠書類の信頼性
検証結果は検証員により検証結果報告書およびPCR遵守性リストにまとめられ,協会(LCA専門家)の確認を得て登録・公開が可能となります。
- (1) 内部検証方式
- システム認定企業が組織内に検証員を配置し、検証機能を内包する方式です。内部検証員数は1システム1名以上とし、検証書類作成業務から独立した立場ある必要です。
- (2) 外部検証方式
- システム認定を受けていない事業者には外部検証が適用されます。協会に登録された外部検証員により実施されます。外部検証はエコリーフによりあらかじめ公開された日程にしたがって実施されます。